NFCタグとは?

まずは「3分でわかる」やさしい解説から。詳しい技術仕様は、各項目の「詳細を見る」で開けます。

3分でわかる、NFCタグ

むずかしい話の前に、まずはここだけ。NFCタグとは、カードや和小物に埋め込む小さなICチップのこと。スマホを近づけるだけで情報が表示される、電池のいらない仕組みです。

📲

かざすだけ

スマホを近づけると、動画・メッセージ・URLなどが表示されます。専用アプリは不要。iPhone・Androidの標準機能で読み取れます。

🔋

電池いらず・長持ち

電池や電源は不要です。スマホが出す電波で動くため、半永久的(データ保持の目安は約10年)に使えます。

🔁

中身は後から変えられる

NFC-TSなら、タグはそのままで“表示する内容”をクラウドから差し替え可能。QRコードのように印刷し直す必要がありません。

ここから下は、もっと知りたい方向けの技術的な解説です。規格・動作原理・採用ICなどを、各項目の「詳細を見る」で開いてご覧いただけます。

NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)は、13.56MHzのISM帯(免許不要の周波数帯)を利用する近距離無線通信規格です。中核仕様は ISO/IEC 18092(NFCIP-1/ECMA-340) として国際標準化されており、既存の非接触ICカード規格である ISO/IEC 14443(Type A/B)FeliCa(JIS X 6319-4) と互換性を持ちます。

「NFCタグ」とは、この通信機能を担うICチップとアンテナ(コイル)を一体化した媒体です。多くは電池を内蔵しないパッシブ型で、リーダー(NFC対応スマートフォン等)が発する高周波磁界から電磁誘導によって電力を得て動作します。記録されるデータは NDEF(NFC Data Exchange Format) という共通フォーマットで管理され、URL・テキスト・各種MIMEオブジェクトを格納できます。

国際標準(ISO/IEC 18092 ほか)で規定される、NFCの基本的な通信パラメータです。

項目仕様
通信周波数13.56 MHz(ISM帯)
通信速度106 / 212 / 424 kbit/s
通信距離数cm(規格上おおむね4cm以下、実用上〜10cm程度)
変調方式改良ミラー符号(106kbit/s・変調度100%)/マンチェスター符号(212・424kbit/s・変調度10%)
給電方式パッシブ型(電磁誘導による外部給電・電池不要)
主な国際規格ISO/IEC 18092(NFCIP-1)/ ISO/IEC 21481(NFCIP-2)/ ISO/IEC 14443 / JIS X 6319-4(FeliCa)
データ形式NDEF(NFC Data Exchange Format)

パッシブ型NFCタグは電源を内蔵しません。リーダーが発する磁界から電力を受け取り、電磁誘導変調という2つの物理現象を使って、次の3段階で通信します。

STEP 01
📡

磁界(搬送波)の発生

リーダー(NFC対応スマホ等)がアンテナコイルに高周波電流を流し、13.56MHzの交流磁界を空間に生み出します。この磁界が、タグへ「電力」を送り「信号」を運ぶ土台になります。

STEP 02
⚙️

電磁誘導でタグが起動

タグ側のコイルがこの磁界を受けると、電磁誘導(ファラデーの法則)により電流が生まれます。タグは13.56MHzに共振するよう設計され、効率よく電力を取り出してICチップを起動します。電池は不要です(パッシブ給電)。

STEP 03
📲

負荷変調でデータを返信

起動したICは、自分のアンテナにかかる負荷(インピーダンス)を高速で切り替え、リーダーの磁界にごく小さな揺らぎを生みます。リーダーはこの揺らぎを信号として読み取り、NDEF形式のURL等を受信します(負荷変調)。

QRコードは「光学的(カメラ)」読み取り、NFCは「電磁的(無線)」読み取りという根本的な違いがあります。両者は併用も可能です。

項目NFCタグQRコード
読み取り原理電磁誘導による無線通信カメラによる光学読み取り
操作かざすだけ(標準機能)カメラ起動・撮影が必要
見た目内蔵でき意匠を損なわない印刷スペースが露出
内容の変更クラウドで何度でも原則、印刷し直し
偽造・複製対策固有UID・暗号認証で真贋判定複製が容易

※ NFCタグの各ICには製造段階で書き換え不可の固有ID(UID)が付与され、これを利用した真贋判定が可能です。

NFCタグの心臓部となるICには、NFC技術の共同開発元である NXP Semiconductors社製の NTAG213(NFC Forum Type 2準拠)を標準採用しています。iOS/Androidの双方で読み取り互換性が高く、世界的に最も普及している標準ICのため、「どのスマートフォンでも安定して動作する」という品質を担保できます。より大きなデータ容量が必要な場合は、同シリーズの NTAG215/216 も選択可能です。

採用IC(NXP NTAG)ユーザーメモリ総ページ数想定用途
NTAG213 【標準採用】144バイト45ページURL誘導など標準用途
NTAG215504バイト135ページ複数情報・vCard等
NTAG216888バイト231ページ比較的大きなデータ格納

※ メモリはEEPROM(1ページ=4バイト)。データ保持は約10年、書き換え耐性は約10万回(EEPROMの一般値)。
※ 各ICには製造段階で書き換え不可の固有ID(UID)が付与され、これを用いた真贋判定が可能です。NTAG213以上はパスワード保護(不正な書き換えの制限)にも対応します。
※ より高度な暗号認証が必要な場合は、セキュアIC(例:NXP NTAG424 DNA)にも対応可能です。採用ICは、用途・数量・セキュリティ要件に応じて個別にご提案します。

NFCタグは電池・可動部・露出した金属接点を持たないため、機械的な摩耗に強いのが特長です。標準採用するNTAG213を基準に、主な耐環境性能をまとめます。

項目性能・特性
動作温度(耐熱)−25℃〜+70℃(NTAG213 ICの動作温度範囲)。より高温・低温の環境が必要な場合は、耐熱インレイ・封止材で対応可能です。
EEPROM耐久性データ保持 約10年/書き換え耐性 約10万回(NTAG213の仕様値)。この期間は記録内容が保持されます。
経年・読み取り精度読み取りは非接触・パッシブ動作のため接点摩耗がなく、繰り返し読み取りによる精度低下はほぼ生じません。経年要因は、データ保持年数とアンテナ部の物理的損傷です。
対衝撃・振動固体素子で可動部がないため、衝撃・振動・落下に強い構造です。実用上の寿命は、封止・パッケージの保護性能に依存します。
防塵・防水商品への内蔵や封止により保護されます。屋外・産業用途では、IP67/IP68相当の耐環境タグにも対応可能です。

※ 上記はNTAG213 ICおよび一般的なNFCタグの代表値です。和小物等に内蔵する場合は製品自体が保護層となり、耐久性はさらに高まります。過酷な環境(高温・屋外・薬品等)では、耐熱・防水を強化した仕様を個別にご提案します。

NFC Forumは、基盤となる通信技術ごとに5つのタグタイプを規定しています。用途やコスト・容量に応じて選定します。

タイプ基盤技術 / 準拠規格主な特徴
Type 1NFC-A(ISO/IEC 14443 Type A)低コストだが衝突防止に非対応。旧来規格で採用例は少ない(代表IC:Topaz)
Type 2NFC-A(ISO/IEC 14443 Type A)衝突防止に対応し最も普及。当社標準のNTAG213もこのType 2(代表IC:NXP NTAG/MIFARE Ultralight)
Type 3NFC-F(FeliCa/JIS X 6319-4)高速通信・大容量(最大1MB)。国内交通系(FeliCa)で実績
Type 4ISO-DEP(ISO/IEC 14443 Type A/B)大容量(32KB〜1MB)・高セキュリティ向け
Type 5NFC-V(ISO/IEC 15693)やや長距離・在庫/物流管理向け

Type 1とType 2の違い:どちらも同じNFC-A(ISO/IEC 14443 Type A)がベースですが、Type 2は複数タグを同時に読み取れる「衝突防止(アンチコリジョン)」に対応し、安価で機能も豊富なため現在の主流です。Type 1は旧来規格で採用例は限定的。当社が標準採用するNTAG213もType 2です。

NFCタグは規格上「かざすと記録情報を返す」媒体ですが、NFC-TSはこれにクラウド基盤を組み合わせます。タグを回収せずに参照先(NDEFのURL等)をリアルタイムに書き換え、固有UID・ワンタイムURLで真贋を担保し、読み取りログをデータとして可視化——。和小物が、受け取った人の「その先」までつながる体験になります。

NFC-TSの機能を見る 導入事例を見る

参考規格:ISO/IEC 18092(NFCIP-1)/ ISO/IEC 21481(NFCIP-2)/ ISO/IEC 14443 / ISO/IEC 15693 / JIS X 6319-4(FeliCa)/ NFC Forum タグタイプ仕様 / NXP NTAG213・215・216 データシート。

まずは、お気軽に
ご相談ください。

「うちの商品にNFCタグを組み込める?」といった技術的なご質問だけでも歓迎です。
京都の老舗・谷口松雄堂が、ICの選定から製造・クラウド設定まで一貫サポートします。

無料相談・資料請求 導入の流れを見る

お電話でも承ります 075-661-3141(平日 9:00〜18:00)